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【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】④忘れた頃に

第3章 ~秋~ 10月



「お前……それ以上煽るな」

「……それは、どういう意味ですか?」


繋いだ手はそのままに、エルは一歩踏み出した。


「もう少し頑張ったら……考えてくれますか?」


子供が親にすがるように。
空いている左手で、彼のジャケットを掴む。


知ってほしい。


私は貴方に会いたくて仕方がなかった。


こんな風に手を繋いでくれるなら……


あと少し、勇気を出してもいいですか?



「好きです」


乾いた路地で、私はついに言った。


「私は……貴方が好きです」


緊張で、声が震える。

緊張で、涙が出そうになる。

それを堪えようと、彼の手を強く握り。

ありふれた言葉しか言えないけれど。
せめて伝われと……彼の瞳をじっと見つめた。


「ずっと会いたかったから……もう少しだけ、一緒に居たい」


驚いたような。困惑したような。そんな彼の表情に、私は問う。


「ダメ……ですか?」


その瞬間。リヴァイは私の腰に手を回し、自分へと引き寄せた。

自然と重なる、互いの唇。

突然の出来事に驚くよりも、彼の柔らかく暖かな感触が嬉しくて。


私はそっと目を閉じた。


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