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【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】④忘れた頃に

第3章 ~秋~ 10月


それから運ばれてきた料理は、すべて彼が注文した物。私は卓上に並べられたそれらを前に、思わず声を上げた。


「なんか……私の好きなものばっかり」


「そりゃ良かった」と答えるリヴァイは素気ないが、好きな人と食べる好きな食事。そんな事だけで嬉しい。



恋をするって楽しい事なんだな。

ふと、そう思った。



出会ってから重ねたやり取りも。今、こうして話している会話も。


何でもない、普通の事ばかり。


それでも、恋をすると心は跳ねる。



「リヴァイ兵士長は素敵ですね」


会話が途切れた瞬間、そんな言葉が口をついて出た。


「人の心に寄り添える、優しい人です」


それは、今まで交わした言葉から感じた事。


「でも、たまには自分にも優しくしてあげてください」

「自分に優しく?」

「息抜きは大切です。頑張った自分へ、ご褒美あげてほしいなって」


そこで、彼は手にしていたお酒を流し込んだ。


「ご褒美か。それは事足りている、だが……」

「だが?」

「……今日は食え。命令だ」

「なんですかそれ、私に太れと?」

「そうだな、今日は太れ。そして痩せろ。だらしねぇ女にはなるなよ」


横暴だけれど、何故か憎めなくて。

思わず笑ってしまう私は可笑しいのだろうか?


楽しい時間は、あっという間に過ぎてゆく……

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