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【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】④忘れた頃に

第3章 ~秋~ 10月


そして先月

仕事終わりに食事に誘って頂いた。と言っても2人きりではない。初めて会った、あの時のように4人で。

でも、二軒目へ消えるナイルとエルヴィンを見送った後。また帰り道をリヴァイと2人で歩いた。

その際、不覚にもつまずいた所を彼が支えてくれて……

「どんくせぇな」

そう言って、私の手を握った。

短い帰り道を、彼の体温を感じながら歩いた。


翌日、何も言われていないのに。私は本を差し出した。『また2人で会いたい』と、今までで一番短い手紙を挟んで。

少し露骨過ぎたかな?とか

そんな事を考えたりもする。
せめて恋愛経験があればなぁ……なんて。過去の記憶を辿ってみても、参考になりそうな物は見つからなくて。





探り探り、前に進むしかないのだが……






「お前、リヴァイが好きなのか?」


ふと、窓の外を見ていた私に声が掛けられた。今日ここを訪れる人物の話題だ。


「……ずいぶん不躾に聞くんですね」

「毎回別れ際にイチャイチャされたら、見てるこっちが困るんだよ」

「イチャイチャなんかしてません!本をお貸ししてるだけです」

「そう照れるなって、面白いじゃねぇか。リヴァイを選ぶ辺りがお前らしい」


それからナイルが一つだけ釘をさした。


「誰を好きになろうとお前の勝手だ。だがあいつは調査兵、それだけは肝に命じておけ」


言いたいことは分かる。
絶望的な死亡率は、兵士でなくても耳に入る程。

そして、それを口にしたナイルの表情は上官というよりも……


「やはり師団長は、父親みたいですね」

「ああそうだ、俺はお前を預かってる身だからな。正直お前に頑張って欲しい気持ちと、内地の男と上手くいって欲しいって気持ちが半々だ」

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