第2章 ~夏~ 7月
「……次はどこへ行きます?」
「まだいいのか?」
「勿論です。どこへでもご案内しますよ」
店主に見送られ、たっぷり1時間は過ごした店を後にした。
「格好ぐらいつけさせろ」と食事は奢ってもらった。その言葉が無駄に理由付けされたものではなくて、私が言うのも何だが凄く好印象だ。
「しかし……お前、疲れてるんじゃねぇか?」
彼は自身の目元を指差した。
どうやら、私の疲れが出ている。と言っているらしい。
まだ気にしてくれていたとは……少し驚いた。
「疲れている訳ではないんですよ。今日はたまたま、変な時間に起きてしまっただけで」
そう、変な夢を見て。変な時間に起きた。
……既に思い出したくない過去だ
そして彼に「お気遣いありがとうございます」と言ってから気づく。
「リヴァイ兵士長、だいぶ顔色が良くなりましたね」
初めて会った時は顔色が悪く、やつれた様に見えた。しかし今、目の前に居るリヴァイはそうでない。
「そうだな……こうして休む時間をもうけている」
「それは良かった。じゃあ、今日はゆっくり楽しみましょう?」
そして、肩が触れるか触れないか。という距離感で歩く。
目的地は彼の希望で、紅茶を扱っているお店。