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【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】④忘れた頃に

第2章 ~夏~ 7月




今日も広場では演奏家が陽気な音色を奏で。

通りのパン屋からは、甘く香ばしい香り。

立ち並ぶ商店の店先には、色とりどりの花。


その一つ一つが、リヴァイと居るとかけがえのない物に感じる。


「いい街だな」


隣からそんな声が聞こえた。


「そうですね。いい街です」

「まぁ……ちと悪趣味だが」


彼は眉をよせ、無駄に装飾された建物を見やった。


「でも。あの装飾を『造る』仕事があって、それで生活していらっしゃる方が居ますから……」


それはそれで良いんじゃないか?と彼に問う。すると彼はしばし思案した後、私の耳元に口をよせた。


「大した事を言うもんだ」


これまでにないほど、近い距離。

彼の吐息が、耳元を掠める。


「……っ!リヴァイ兵士長、近いですっ!」

「予想通りの反応だ」

「なっ!からかいましたね!?」


呆れたように、ため息をつくリヴァイ。これは完全に遊ばれている。

なんだか悔しい。ほんの一部かもしれないが、私だって彼の事を知っているつもりだ。


「これだから男っ気のない奴は……」


そう、例えば今の言葉だって……


「言うと思った」


遊ばれたのが悔しくて。
私は貴方を見ていると知ってほしくて。

そんな言葉を少し意地悪な気持ちで……
でも、精一杯の笑顔で伝えた。


リヴァイに対して感じていた、うやむやな感情。
それは日が沈む頃には『彼が好き』なのだと。

1つの形として、私の心に出来上がった。



~夏~ END
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