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【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】④忘れた頃に

第2章 ~夏~ 7月



「こんにちはー。まだやってますか?」


昼食を取るには少し遅い時間。
店のドアを押し中を伺えば、お客さんの姿はまばらだ。思い切って声を掛けると、店主が厨房から顔を出した。


「エルちゃんいらっしゃい!まだ大丈夫だよ、今日はえらい遅いねぇ」

「ありがとうございます。さっきまで仕事だったんですよ」


店主に声をかけながら、ドアを片手で支えリヴァイを店内へ通した。その時……


「おお!ついに彼氏を連れてきたか」

「ちょっ……やめてください!そんなんじゃありません!」

「恥ずかしがる事はないよ、デートにウチの店使って貰えるなんてありがたいねぇ」

「いや、だからですね……」


なんやかんやと喋りつつ、意気揚々と案内されたのは窓際の席。差し込む日の光りが心地よい、この店で一番良い席だ。


「えっと、お食事どれにします?メニューはこれです」

「お前の気に入りはどれだ?」

「そうですね。やはりシチューですかね」


「ならそれで」とのリヴァイの返答に、本当に何でも良いんだな。なんて事を思いながらシチューのセットを2つ頼んだ。私は昼食を軽くつまんでいたので、量は少なめで。


「しかし……想像以上に親しそうだな」


厨房へ消えゆく店主を目で追いながら、リヴァイが口を開いた。


「そうですか?でも良くして頂いています」

「お前は人当たりが良いからな。にしては男っ気が無いようだが」

「全くその通りで、返す言葉もありません」


呆れたようにこちらに視線を寄こすリヴァイを見返しながら……


『じゃあ、リヴァイ兵士長にはそういうお相手いるんですか?』


そんな質問が浮かんだ。
今なら、聞けるかもしれない。


「あのっ……」


口を開いた時……


「エルちゃん!」


可愛らしい声で、名前を呼ばれた。
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