第2章 ~夏~ 7月
「うわああぁぁぁぁぁぁ!!」
盛大な叫び声をあげ、エルはベッドから飛び起きた。まだ薄暗い室内が、起床時間にはまだ届かない事を示している。
「……夢?」
「エル……うるさい」
隣のベッドから声が飛んでくるが、全く耳に入ってこない。
こんな夢は初めてだ。こんな……こんないやらしい夢を見るだなんて。正気じゃない。
頬を冷や汗が伝う。
心臓はバクバクと音を立て、動揺の大きさを表す。
一体なんだ?
どうしてしまったんだ??
これは…もしかして……
「欲求不満ってこと!!??」
「エル!うるさいって言ってんでしょ!!」
隣から投げつけられた枕はエルの頭にヒットし、その枕とともにベッドへ身を沈めた。
そして夢でみたリヴァイの顔を思い出し、布団の中で再び顔を赤くする。
色気が凄かった。
とんでもなく……凄かった。
「あああああぁぁぁぁぁぁぁ……」
この3度目の叫びによって、同部屋の友人から更なる罵声を浴びせられることとなる。
―――
―――――…