第2章 ~夏~ 7月
『……エル』
ベッドで眠っている最中
耳元で囁かれ、そっと瞼をあげた。
ぼんやりと見える誰かにきつく。しかし優しく抱きしめられる。
その体温が暖かくて、私もまたその背中に手を回した。
穏やかで、とても心安らぐひと時
こういうのを『幸せ』と呼ぶのだろうか?
『エル』
もう一度、掠れたような色っぽい声で名前を呼ばれた。
そっと腕が外され、身体がゆっくりと離れていく。
横たわる私に覆いかぶさり、見下ろすのは……
「えっ⁉」
その人は、リヴァイだった。
何も身に着けていない姿で、熱っぽい瞳をこちらに向けている。
『エル』
愛おしそうに骨ばった指先で、私の頬を撫でた後……
ゆっくりと、その顔が近づいてくる。
これは…
これは……