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【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】④忘れた頃に

第1章 ~春~ 4月


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――…


「リヴァイ、昨晩の食事は楽しかっただろう」

「……なんの事だ?」

豪華な装飾に、立派な革張りのシート。
悪趣味な馬車に揺られながら、リヴァイは目の前の男性を睨んだ。


「エルの事だよ。お前に会わせたかったんだ」


『会わせたかった』その意味を思案する。

ガラガラと石畳の上を駆ける音が、車内を包んだ。


「会わせて、何になる」

「お前は内地の情勢を知るべきだし、彼女の話は良い息抜きになると思った。お前は……あまりにも働き過ぎだ」

「そうかよ」


窓から外を伺えば、街の人々の穏やかな表情が見て取れる。

昨夜出会ったエルもまた、同じような顔をしていた。



……内地は幾分平和だ



調査兵団が拠点を置くトロスト区は今、街全体に異様な空気がはびこっている。


強行されたシガンシナ奪還作戦

大通りを埋め尽くす人々の列

地獄へ続く それを見送った街



正直、エルヴィンの言うように少し気が滅入っていた。



泣き叫び 命乞いする市民

むせ返るような血と汗の匂い

視界は……赤く染まった




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