第2章 【Forever mine〜after story〜】
彼から届いた洋服を身に纏い、
空港に着くと、マネージャーさんが待っていて。
彼に案内されて乗り込んだ車には、
マスクをしたひさくんが乗っていた。
「…おっす。」
「やっほ…。」
8日ぶりに彼に逢えて凄く、嬉しいハズなのに
なんだか、照れくさくて。
彼も、マネージャーさんの手前か、
お互いに素っ気ない挨拶を交わす。
どこに座ろうか迷ってると……
「ん。」
彼の隣の席をポンポンと叩いて誘われる。
遠慮がちに浅く座ると
窓の外を眺めていた彼が
そっと、手を重ねてきて。
「……似合うじゃん。
オレの見立て、やっぱ最高じゃん。笑」
「うん、ホントにありがと!
でも、やらかさないか心配で
ずっと心臓バクバクしてるよ。」
「ふふっ。大丈夫だよw
あいつら、ホントにいい奴らだから。笑
あ、お前のお母さんに言われた言葉を
今のお前にプレゼントしてやるw
『緊張するなと言っても緊張するだろうから
一生に一度のことだとタカを括って
思いっきり緊張していらっしゃい。笑』
これよw」
「ひゃーー! うちの母ってばそんなことを!
…なんか、ごめんね?」
「いや、さすがお前のお母さんだなぁ
ってオレは、思ったよ?笑
ホントの気遣い上手ってさ、
相手に気を遣わせたなって思わせずに
気を配れる人じゃない?
恵麻も、そういうとこあるしさ。」
「いやいや、そんなこと…ある?笑」
「ふふっ。うん、そんなこと…あるよ。
でもお前ん家、愛がないなんて言ってたけど…
恵麻のお母さんと話しただけだけどさ、
オレにはそうは思えなかったよ?」
「あ、それね。ちょっと続きがあって。
4年…くらい前かな?
私がちょっと…ツラくなった時期があって。
そのときに両親に言ったのよ。
『なんで、隣に居られてるのに
お互いを見ないの…?
お母さん達は贅沢だよ…』って。」
「うん……。」
重ねられていた手を
ぎゅっと…握られて―――…。
「……母も母で、私の手前、
私と血の繋がってない父に
素直に甘えることができなかったみたい。
そんな母を父が誤解して不倫して…
の悪循環だったみたいで。
なんか、今、こっちが
恥ずかしくなるくらい仲良しみたい。笑」
「そうなんだ。
なんか、すごく、嬉しいな……。」