第2章 【Forever mine〜after story〜】
「恵麻ちゃん、おはよ。
そろそろ出掛けよっか。」
「あ、うん。
昨日行きたいところがあるって言ってたよね。
……どこ?」
「ひみつー!」
「……出たw」
*
「着いたよ。」
「……ここ…?」
「うん。……覚えてない?」
「うん…。」
知ってるような、
知らないような…。
「ついてきて。」
私の手をとって歩き出す彼。
不確かで、
モノクロだった幼い頃の記憶が
少しずつ、
色づき始めて―――。
「中村恵麻ちゃん。
……思い出した?」
「ここって……。」
「そ。恵麻の…
血の繋がったお父さんの家のお墓。」
「……覚えて…くれてたの?」
「忘れられるわけ…ないでしょ。笑
あのとき、思ったんだ。
もし、万が一…恵麻との時間が
再び動き出すなら
絶対に、一緒に行きたいって。
だから昨日…待ち合わせ前に
お前のお母さんに無理言って
案内してもらって。」
「もぅ…やだ。
昨日から泣かされっぱなしだよ。。」
「ふふっ。あのね?
知ってると思うけど…
オレ、恵麻が大切なの。
だから……
恵麻に繋がるもの全てが大切だし、
一緒に、大切にしていきたいと思ってる。
と、いったトコロで。
いかがだったでしょうかっ?
MASUDAの責任感は!笑」
「笑。変わってないね。
かっこつけてる自分に耐えられなくなって
照れ隠しでふざけるところ…。」
「いいじゃん。笑
一緒に笑って泣けるって
……最高だろ?」
そうやってふざけてたくせに
一瞬で、色気を纏って…。
「おまけに……
あんだけ一緒に気持ちよくなれるの、
お前とだけだよ?
マジで、たまんない…。」
なんて、
耳元で囁かれて―――。
「怒られちゃうよ…。」
「怒らんねぇよ。
みんなそんなことしてきたから…
墓、守れてんだろ?」
「そんなことも覚えてるのね…w
下手なこと言えないな、これは。笑」
二人で、墓前に手を合わせて
改めて挨拶をする彼。
「よし、これで1個やり残してたこと、
できたわ。」
「うん、ありがと。」
「ん。時には立ち止まったり戻ったりしてさ
焦らないで1歩ずつ、行こうな?」
やっぱり、ひさくんは
いつだって、優しくて――…。