第2章 【Forever mine〜after story〜】
「大きな声出して、ごめん。。
もう…、大丈夫……。」
腕の力を緩めた彼を
抱き締め返す。
「大丈夫。大丈夫だよ。
これが最後の朝じゃ、ないから…。」
自分たちに言い聞かせるように
そう…、呟いて。
彼の涙を、キスで拭った私は…
タオルを取りに脱衣所へと向かう。
「……ねぇ、恵麻。明日は休み?」
「うん。」
溢れた水を拭きながら答える。
「明後日は…仕事?」
「あ、うん。夕方からだけど…。」
「じゃあ、そのとき
仕事辞めるって言ってきてくれる?
1日でも早く、一緒に暮らして…
安心したい。」
「……うん。」
「……ねぇ、あのセンセイにも言う?」
「なんで言うのよ。笑
ドクターはいちいちナースの人事なんか
気にしてないよw」
あぁ、やだ。
恵麻のそういう…鈍感なとこ。
同性だからこそ、感じるモノって…、
あるんだよ、恵麻。。
「オレには劣るけど!
あのセンセイ、結構オトコマエだったし。
オレには、劣るけど…。」
「何で2回も言うの…笑
うん、誰かと比べる必要なんかないくらい
ひさくんはオトコマエだよ。
うーん……そうかな?
思ったこと、ないよ。」
「……気、遣うなよ。」
「気なんか遣ってないってば。笑」
ほら。また、優しい嘘…。
恵麻好みの顔立ちだって…
オレ、知ってるよ?
でも、オレに心配させないように
優しい嘘をつく
そんなキミが好きだから…
だから、このまま…
騙されていてあげる―――。
「……とにかく、気をつけてよ。
隙が多すぎんだよ、お前は。。」
「ひさくんは…心配しすぎだよ。笑」
拭き上げたタオルを
脱衣所に持って行こうと立ち上がると…
腕を掴んで引き寄せられ
彼の腕の中にすっぽりと包まれる。
「そうだよ。……悪い?
もう二度と手放したくないんだ。お前を。
本音を言えば…
他のオトコの視界に入るのすら、嫌なんだ。」
孤独を隠した瞳で
私を、真っ直ぐ見据えて―――。
「悪くはない、けど…。
……そんなに、信用できない?」
「違う。違うんだ。
そうじゃ、なくて……。」