第1章 【Forever mine:増田貴久】
「オレができることなんて
ちっぽけかもしれないけど…
恵麻を、ここにある幸せを
守りたいって思ってる。
これからも、
不安にさせてしまうことが
あるかもしれないけど
それでもついてきてくれる?
オレのこと、ずっと隣で支えていてほしいし、
気は強いのに、強くはない恵麻だから
これからも支えさせてほしい。」
「うーー…やだ…。
せっかく泣き止んだのに。。」
「ふふ…泣きたいときはね、
何度だって泣いていいの!
そしたらまた、
オレが笑わせるから(笑)」
「…怖いよ、こんな幸せで…。」
「……離れようと、してるの…?」
「そういうわけじゃ…。」
だけど、
未来のことなんて
誰にもわからない。
私たちの関係は、気持ちだけで
どうにかできるものじゃないのは
最初からわかってたことなのに…。
―――ヤバい…。
このままこの話を続けたら
また涙が出てきそうだった私は
話題を変えたくて。
「……あのさ、さっき我慢しなくていい
って言ってたからずっと不思議だったこと、
聞いてもいい?」
「うん、いいよ。
いいけど、何だろ。気になる。笑」
「…なんで、私を選んでくれたの?
芸能界なんて、美人さんだらけなのに。」
「え…、そんなこと気にしてたの?笑
そんなこと、気にする必要ないのに。
そりゃ芸能人だもん。
優れてるのが普通でしょ?
でも見た目なんかさ、
ある程度で良くない?
恵麻より美人でも、
恵麻よりキレイ好きでも
オレにとっては意味がないの。
恵麻の替わりはいないから…。
オレが恵麻のがイイ女だなって
思ってるんだから。
これ以上の理由、ないでしょ!」
「うーん…。客観的に見て
自分がイイ女だとは思えないけど…。苦笑」
「女のコにはよくわかんないかもしんないけど、
そうなの!
それに…オレ好きだよ。
恵麻の、そういうとこ。」
「…そういうとこ?」
「そ。さっきのオレの言葉に
『ひどーい!』とか、言っちゃわないとこ。
女の子にありがちな
現実見えてない系の反応、しないじゃん。
恵麻のいいとこ、いっぱいあるよ?
もっと、自信持てよ。
なんたってこのオレ様から選ばれたんだからw」
「もう…また言ってる。笑」