第1章 【Forever mine:増田貴久】
外に出ると
昼だというのに冷え込んでいて
今にも泣き出しそうな
どんよりとした空を見上げる。
「ふふっ。なんだよ、
お前もオレと一緒かよ………。」
涙が零れ落ちそうになって
寒さを切り裂くように
足早に歩き出す。
恵麻、
オレは歌うよ。
キミのいる世界が
温もりで溢れるように。
遠く離れていても
キミに届くように。
力の限り、強く………。
キミを想うだけで
僕は強くなれるんだ。
だから………、
淋しくなんてないよ。
愛がここにあるって
キミが教えてくれたから。
でも、
キミは淋しがりやだから………
こんな風に寒い日には
セツナサを感じないくらい
誰かに暖めてもらっていて………。