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【報道系】夢小説

第1章 【Forever mine:増田貴久】





実家に車を停めて
門扉に向かって深く一礼する彼。


「行こっか。」


差し出された手に駆け寄って、手を繋ぐ。


「そうじゃないでしょ?
こうでしょ♡」


恋人繋ぎに繋ぎ変えられた手を
彼のコートのポッケで暖められて。


ゴツゴツした節ばった指を
いつもよりたくさん感じられて
頬が赤らむ………。


「ちょっと学校まで遠いから
子供の頃はそれが嫌だったんだけど、
今日初めて、そのコトに感謝できてる!」

「ふふっ可愛い。……この木、桜?」

「うん。この桜並木、春は凄く綺麗だよ。」

「そっか。この木は知ってんのか。
ちっこい恵麻ちゃんのコト。妬けちゃうな…。」


横断歩道を渡ると
今度は銀杏と楓の木が立ち並んでいて。


「自然が豊かなところで育ったんだね、
恵麻は。だから擦れてなのかな…。」

「……そんなに良いもんじゃないよ。」

「そう? でも恵まれてると思うよ!
だって裕福で、環境も良くて、頭も良くて、
可愛くて。違ったら逆に嫌味だよ。笑

オレなんか成績持って帰る度
『まぁ貴はしょうがないかw』

って感じだったし、
オレも悪いのに慣れてる、みたいなw」

「そういうの…、凄く羨ましい。

母親は私が好きだったわけじゃないの。
成績のいい私が好きだったの。

母親に喜んでほしくて勉強頑張って、
先生から勧められて受験しただけ。

受かったら受かったで
トップ校の男子校が高等部から共学になるから
そこを目指せって。私の意思なんかなくて…。

だから、恵まれてなんかないんだ。
ありのままの私なんか
誰も見てくれなかったんだから…。」

「そっ……か。」

「それにね、私父親と血が繋がってないの。
私の母親は私が7才のとき再婚したの。
生活を安定させるために。

でも、父親は不倫三昧だし、
うちの家庭は淋しいよ…。」


いつだってオレのコトを
丸ごと愛してくれた恵麻。


でも、丸ごと愛してほしいと
切望していたのは………


恵麻、
キミだったんだね。。


キミが与えてくれた愛の分だけ
オレは愛を返すことができたかな………。


キミの心は誰よりも綺麗だけど、
壊れそうなガラスみたいだ。。


オレはそっと
抱き寄せて口付けた。


キミのことを
壊してしまわないように―――。










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