第1章 【Forever mine:増田貴久】
「……やっぱりお前、イイ女だな。」
「えっ?」
「前に言ったろ?
お前のコト、イイ女だって。
美人とか可愛いとかそんな上部だけの
チャラい話じゃなくて……
最上級の褒め言葉だからね?」
「あ…りがと///」
「オレ、お前以上にイイ女には
もう二度と出逢えないと思ってる。
だからこそお前の初めての相手に
嫉妬してンだろうな……今でも。」
「私にとってひさくん以上に
大切な人はいないよ?
それでも……そんなに、気になる…?」
「…うん、ごめんね。
でも、気になったのは
お前が初めてだよ。
今までは、
それはそれでっていうか。
だから
"オトコは初めての相手を求める"
っていうのもあんま、理解できなくて。
でも、それは…今までの相手に
思い入れがなかっただけだったんだって
お前と出逢ってわかった。
多分、オトコは
初めての相手になりたかったと思える相手を
求めてるんだって。」
照れて俯く私に
視線を合わせて……。
「オレがお前に
貪欲なのだってそうだよ?
それだって
お前の初めてを
上書きしたいからだから。
オレがそんな風に
思わずにはいられないのは……
きっと、これから先もずっと、
恵麻だけだよ。」
優しい目でみつめられながら
大好きなゴツゴツした大きな手が
私の頭の上でポンポンと跳ねて……。
「だから、オレはお前に出逢えて
オトコとしての幸せを知れたってわけ。」
そう言うと表情を翳らせて、
フッと視線を逸らすひさくん。
「だから……さ、恵麻、
お前は幸せになれよ?」
「やだ…なん……で…?
それ……ひさくんにだけは
言われたくない言葉だよ…!」
「オレだって!!
オレだって……
お前にだけは
言いたくない言葉だよ。
オレが幸せにしたいのに、
言いたいわけない、だろ?
それでも…!
それでも幸せでいてほしいんだ、
お前には。
例え、そのとき隣にいるのが
オレじゃないとしても……。」
オレの言葉に
涙を流す恵麻。
「オレと出逢ったこと、
後悔してる?」
「してたら、
今、泣いてないよ……。」
「……同じ気持ちで、よかった。」
そう言って
私の涙に
優しく口付けて
唇でそっと、
呼吸が溶け合う
キスを交わした……。