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【報道系】夢小説

第5章 【It's you:加藤成亮】






「成亮さん、それは多分…違います。
欠落してたんじゃなくて…
狂わせられたんですよ、きっと。

貴方にとってそれほどの女性だった。
ただ、それだけです。

貴方が悪いわけでも、
彼女が悪いわけでも、なくて。

ただ…、
祐也も貴方も私も、
彼女も……
少なからず、傷を負う。

ただ、それだけです。」



彼女は…、
いつも、正しい……。



昼間キミに言われた言葉が脳裏を掠める。



彼女はいつも、
正しくて、冷静で……。



それはときとして、
人を苦しめる―――。













「キミは美人だし、聡明で…
きっと、これから先、
俺なんかより素敵なパートナーと
いくらでも巡り会える…」

「ふふっ…貴方って……
本当に残酷なヒト。

心の中に誰かが棲みついたままじゃ…
いくら想われたって
それは1つも意味がない。

貴方が…
一番知ってるクセに……。」


彼女の言葉に返す言葉もなくて
俯いていると。。


「ごめんなさい。

意地悪……言ったりして。」


彼女は、少しだけ、
バツが悪そうな表情をして。


「貴方には届かなかったけれど…
どうやら、
私の想いは本物だったみたいです。

私は、私にできる限りのコトはしてきたつもり。
だから……悔いは、ありません。」


前を見据えて、
彼女はスッキリした表情で
そう言ったかと思うと……


涙が滲んだ瞳で
俺に静かな視線を送って―――。


「なのに、、嫌になるわ。

それでも…
貴方を愛することをやめられない自分が……」


彼女は、上を向いて
ふぅっと1つ、


ゆっくりと…
溜め息をついて―――。


「……成亮さん?
私、香純っていうんです。」

「? 勿論、知ってるよ。」

「最後に、抱いてくれますか?

……香純として。

一度で…いいから……。」




彼女の言葉に、




言葉を…
失った……。




それと同時に…




俺が背負うべき十字架の重さを
思い知らされて―――。




「香純……。」

「優しい嘘でいいの。

今だけは、
私だけを愛して………。」




ヒトの想いは不可侵だ。




それが故に……




残酷なのに、
綺麗で。




儚いからこそ、
尊い―――。















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