• テキストサイズ

【報道系】夢小説

第5章 【It's you:加藤成亮】






「でも…そんなの、
やっぱり、ダメだよ……。

誰かを傷付けないと得られない幸せなら、
私は要らない…。」

「恵麻の気持ちはわかるよ…。

でも、今の俺は
家族を傷つけてしまうことは百も承知で

十字架を背負って
生きていく覚悟を決めたんだ……。

だけど、これは俺の問題だから。

これから、
俺の生活が変わったとしても…

キミは何一つ罪の意識を感じなくていい。
それはただの…俺のわがままなんだから。

今の、俺の願いは…1つだけだよ?

キミが自分のことを
大切に想える日が来てくれたら、
それでいい。

他には何も望まないから」

「……そんな日が、くるのかな…」

「うん、きっとくるよ。
だから…それまで、隣で支えさせてほしい……。」





















「送ってくれてありがとう。。」

「……恵麻…?
何も望まないとは言ったけど…
音信不通だけは、勘弁ね。

あと…
行きずりの関係は、もう…止めて。」




別れ際にピシャリと諫められて。
彼に知られたくなかった自分を
突き付けられる―――。


けれども、
その声色は穏やかで。




「カラダだけの関係は
ココロの虚無感を助長するだけだから。

自分を大切にするって案外難しいけど…
キミが自分を大切にしてくれることが
俺の幸せでもあるってこと、忘れないで。」

「……うん。」

「できるよね?恵麻なら。」


柔らかく微笑んだ彼の手が
頭の上でポンポンと優しく跳ねて……。


「こっちの整理がついたら
また、連絡する。」


彼は優しさを私に刻んで
車を走らせていった―――。




















恵麻と別れて程なくして、
彼女に、連絡を入れる。


"お疲れ様。
今日は、早く帰る。

それから…話がある。"

"お疲れ様です。
わかりました。

祐也は、
実家に預けておきます。"

"ありがとう。"


きっと、彼女は……、
そのやり取りで悟ったのだろう。








多分、俺と彼女は…
少しだけ、
似すぎていたんだ……。


案外、辛いもんだよな。
相手の考えが
わかりすぎるというのも―――……。


















/ 124ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp