第5章 【It's you:加藤成亮】
「ただいまーー!!お母さーん!!
お父さんに3回も勝ったよ!!
あとねあとね、
じゃがりこ2個も買ってもらったよ!」
「落ち着け落ち着け。笑
……ただいま。」
「おかえりなさい。お疲れさまでした。
祐也、手を焼かせませんでしたか…?」
「いや、全く。お利口だったよ。
普段キミが一生懸命…
子育てしてくれてるからだろうな。
毎日、ありがとう。お疲れ様。」
「……ふふっ。その言葉があれば、
明日からまた…頑張れます、私……。」
*
「あ……成亮さん…。
まだ、寝ないんですか?」
ソファで酒を煽ってる俺に
声をかけてきて。
「……あぁ…。眠れなくて。。」
これはきっと、
今日の昼間……
キミを見つけてしまったせいだ。
何をしていても、
恵麻のことばかりで…。
必死に蓋をしていた想いが
1つ、また1つと溢れてきて……。
「あの……私、先に横に…。」
そう言いかけたキミの腕を強引に引き寄せ…
口付けて―――。
「ごめん、付き合って……。」
「…んっ……///」
俺は……
最低だ―――……。