第1章 はじまり。
質問に答えられない教官はわたしに目を向ける。
篤「―――だーも、ほら佐々木もいけ!」
『え、だってまだお茶…』
篤「すぐ飲め!!」
『わたし猫舌…』
篤「じゃあ俺のをやる!」
そういって教官は飲みかけのペットボトルを差し出した。
『え、いいんですか?じつは、喉が渇いてたのに、間違えて熱いお茶もらっちゃって』
篤「わかったからいけ!」
ペットボトルをわきに抱え、トレーをもって立つ…前に、一応熱いお茶が入った湯呑をこそっと教官のトレーの上に置く。
そしたらさっきからずっと笑っていた小牧教官はさらにおなかを抱え笑い出していた。
『それでは、また午後おねがいしまーす』
そういってわたしはその場を離れた。