第13章 大人の喧嘩殺法
会「・・・子どものしたことですし、怪我人も出なかったから大袈裟にはしません。しかし、何らかの指導は必要なのではないかしら。」
会長の言葉を聞き、教官が口を開く。
篤「そのことについて2人の両親と学校にも連絡をして相談したんですが、反省を兼ねて社会勉強をさせてはどうかという話になりまして…佐々木」
『はい。今度のフォーラムで図書館問題についての彼らが自ら考えた意見などを発表する場を設けようと思っています。この2人が責任者として、一つの会の立ち上げや運営を行うことを通して社会活動の意義と責任を学んでもらうというねらいがあります』
篤「一遍の反省文や謹慎より子どもたちの自立と成長を促せるのではないかと思います」
教官が最後に付け加えると、会長は鷹揚にうなずいた。
会「そうですね。貴方達、責任ある立場を引き受けるからには投げ出してはいけませんよ」
そう悠馬と大河に告げると、2人は「はい!」と良い返事をする。
そして、会長は最初と打って変わった表情でわたしたちを見送った。