第4章 追加訓練
外からは「堂上っ!てめーだけずりぃぞ!」そんなヤジが飛ぶが、そんなこと知ったことか。
「なんて格好してんだ、お前は…」
俺が呟くと、
『……んぅ……?』
寝ぼけまなこで、うっすら開く唇。
不覚にもドキッとしてしまった。
「ん?どうした」
平静を装うように聞く。
『ぁの…ね……』
言葉が続くのを待つ。
だが、続くことなく香はそのまま静かに寝息を立て始めた。
思わずため息がこぼれる。
俺の腕の中で眠っている香を見ると、胸が締め付けられて仕方がない。
このまま俺の腕の中に…―――
ガラもないことを考えている自分が恥ずかしくなり、静かに香を寝かせてやった。