第1章 はじまり。
「早食いは体に悪いよ、笠原さん。佐々木さんみたいにゆっくり食べないと…」
上から別の声がする。
視線を上げると声の主は小牧幹久二等図書正だった。
小牧教官は堂上教官と同期で別の班の教官。
温和な性格だからか、堂上教官よりも女子に人気があるらしい。
郁「どうせ、飯が不味くなったからいいんです。柴崎、佐々木行こう!」
『え、わたしまだ食べ終わってへんから、先行ってて!』
麻「わかった。」
郁と麻子が行こうとすると何かが落ちる。
篤「おい、なんか落としたぞ」
堂上教官拾い上げ、郁に言うが、郁は振り向きもせず「捨てておいてください」と頼んだ。