第1章 はじまり。
「お前らの俺に対する評価はよくわかった」
声に振り向くと、トレーを持った堂上教官が…
篤「《チビで性格の悪いクソ教官》か。俺も人間だから たまたま耳に入った罵詈雑言が指導に影響がないとは言い切れん」
麻「え?“お前ら”ってあたしたちは関係ないですよね?悪いことなんて言ってないですよ。ね、香」
『うん』
麻子は笑顔を作る。
わたしは自然と目線が上に上がって見つめる形に。
篤「…まあ、そうだな。」
教官はそう言って、わたしの頭をポンポンとなでた。
『・・ぉ?』
教官の予想外の行動に驚きを隠せないでいるわたし。
そして、みるみる顔に熱がたまる…その様子を見ていた麻子はニヤッと笑った。
その笑顔に熱が顔に集まってたのがひゅんと冷たくなる。
ちらっと郁を見ると、郁は残っていたご飯をガツガツとかき込んでて…
この状況をどうしていいのかわからず、わたしは照れて縮こまるしかなかった。