第4章 追加訓練
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香が“この仕事に就く”といったとき、堂上二正の表情が変わった気がした。
たぶん、この間司令に過去の話を聞いたんだろう。
佐々木 香……コイツとの出会いは、高校1年のとき。
俺が通っていた高校に転校してきたのがはじまり。
先輩たちも騒ぐほど一際目立っていたのがこの女だった。
見た目にしろ、喋り方にしろ、全てが目立っていた。
香は幼いころに両親を亡くし、転校してくるまで母方の実家がある関西にいたらしい。
だからか、こっちに馴染みのない喋り方をしていた。
嫌なやつだから目立つとかではなく、全然違う意味で
分け隔てなく接するから、こいつのことが嫌いというやつの話は聞いたことなかった。
いや、実は言われていたのかもだけどな。