第2章 郁の王子様
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『ふう…』
無意識にため息が出る。
あざとく、そのため息に玄田隊長が気づいた。
玄「なんだ、佐々木疲れたか?」
『え、そんなんじゃないです!まだいけます!!』
そう返すと玄田隊長は「そうか、まだイケるか!」と、ガハハハ!と笑った。
ついさっき、三度目の実地訓練を何事もなく終えて、基地に戻っているところ。
郁「あ、あれ!」
郁が何やら見つけて指をさす。
その指した先には不穏な雰囲気の本屋があった。
『良化隊…』
わたしの言葉を聞いたか否か郁は車から飛び降りる。
玄「あ、こら笠原!止まれ!!!」
玄田隊長が叫ぶ。
『ちょっと郁!!!』
わたしも咄嗟に車から降り、本屋へ向かった。