第2章 郁の王子様
篤「これは男だろうが女だろうが関係ない。この状況なら俺は相手が誰であっても殴る。相手フリーのままで何が確保だバカ!!もし佐々木が間に合わなかったら危なかったんだぞ!いつまで経ってもスポーツ気分なら辞めちまえ、お前は防衛員に向いてない」
郁は呆然と立ちすくむ。
堂上教官は、わたしを見てかけよる。
篤「よくやった。…って、佐々木ちょっと来い。笠原、お前この男をつれてけ」
『え、ちょ…っわ!』
堂上教官はわたしを抱きかかえた。
所謂、お姫様抱っこ。
『きょ…教官!おろしてください!!』
篤「だめだ。黙って連れてかれろ」
ばたばたしてみるが、逆に力が入る腕。
わたしは諦めてそのまま身を預ける。
途中、小牧教官とすれ違い、わたしは思わず顔を隠した。