第13章 大人の喧嘩殺法
悠「“子どもの健全な成長を考える会”への抗議行為です」
悠馬は大人びた話し方をして言い放つ。
『どういうこと?』
悠「あの団体は僕たちから自由な読書生活を剥奪しようとしてるんです」
気張ったように背筋を伸ばして悠馬が続ける。
悠「僕たちの中学校の図書室は購入図書の選定がリベラルで生徒に支持されていたんですが、先日の高校生連続通り魔事件の後、“子どもの健全な成長を考える会”の介入でエンタメ系の図書が大量に処分されました。処分図書の基準は独善的で到底納得できるものじゃありません」
大「主人公が銃をもってるのが望ましくないとかっ・・ムチャクチャだよ」
大河も悲痛な表情を見せる。
小「そりゃまたヒステリックな話だなぁ・・・」
小牧教官も軽く眉をひそめた。
『そのシリーズは良化委員会の検閲にかかったことないですよね』
堂上教官に聞く。
篤「あぁ。少なくとも検閲優先度が高いものとしては挙がっていない」