第13章 大人の喧嘩殺法
『――わたしはここまで。がんばってね』
わたしはそう2人に告げ、席を立つ。
2人は「えっ」と顔を上げ、わたしを見たときドアが荒っぽく開けられた。
玄「悪さしたガキはどれだ!」
ずかずかと玄田隊長が入ってくる。
続いて堂上教官と小牧教官も。
玄「お前らか!何考えてんだバカどもが!!!」
普通に喋っていても、我鳴っているように聞こえる玄田隊長がさらに声を荒げると声の迫力がものすごい。
本気で怒鳴るともっとあれなのだが・・・
子どもたちは目に見えて竦み上がる。
郁「なまはげ?」
思わずつぶやいた郁の横で、小牧教官がものすごい勢いで口を押さえて横を向いた。
上戸のツボに入ったらしい。
『ばっバカ郁』
篤「・・・・お前は余計なタイミングで余計なことをっ・・・」
堂上教官は叱っているつもりなんだろうが、心なしか声が震えているように見えた。
光もわざとらしいほど沈痛な表情で俯く。
そういうわたしも、吹き出しそうになった1人だけど。