第11章 モテ期
篤「・・・香、大丈夫か?」
『あ、すいません・・・』
わたしは、バッと教官から体を離す。
『へへ・・・。なんか、毎回情けないところばっかで、カッコ悪い』
ぼそっとこぼすと、教官は複雑そうな表情を見せた。
篤「カッコ良いも悪いもあるか…とにかく間に合って良かった」
ぐしゃぐしゃと頭をなでる。
2週間の間、まともに見れなかった顔。
それがこの距離で見られるのがすごくうれしかった。
篤「よし、行くぞ」
そう言って教官は横に並び、わたし背中をぽんと押した。
わたしは教官の隣で歩き出す。