第11章 モテ期
その言葉をきいて、ある男の子を思い出す。
でも、その顔とは全く違う顔。
『あのときの・・・でも、顔が・・・』
坂「あの醜い顔で、香に会えるわけがないだろ!だから、つり合うように変えたんだ」
ニヤァと笑う。
背筋に寒気が走った。
坂「香ってさ、僕にたくさん妬かせるんだもん。ほんとに困るよ。まさか、手塚なんかとヨリを戻すなんて。」
懐からナイフを取り出し
坂「そんなに僕のことを焦らさなくても、僕は香のことでいっぱいなのに」
舌を這わす。
逃げなきゃ―――・・そう思った。
でも、後退りするだけしかできない。
距離が詰まって、手振り上げられる。
『―――篤教官・・・っ』
思わず目をつぶった。