第11章 モテ期
もしかしたら、俺に遠慮をしているのかもしれない。
昔付き合っていたと話をしたからか?
『光?どしたん?』
俺を覗き込んだ香を見ると、何となく腹が立ったので頭をぐしゃぐしゃとしてやった。
「香さん!」
香の名前を呼ばれて立ち止まる。
そこに立っていたのは、業務部の坂巻だった。
『え?・・・坂巻くん?』
坂「ちょっといいかな」
俺の顔をみる香。
「待ってる」
『んーん、大丈夫。知らん人やないし…先に行ってて』
「・・・わかった」
坂巻は俺に頭を下げる。
同期で知ってるやつだったから、大丈夫だろうと思った。