第11章 モテ期
『光、おはよ!遅くなってごめん!』
「はよ。いや、そんな待ってないから大丈夫だ」
香と寮の前で待ち合わせする。
ベタなやり方だけど、見せつけるためには仕方ない。
そして、それを続けて今日で2週間になる。
あれから少しずつではあるが告白する連中は少なくなってきてるみたいだ。
付き合っているフリと言っても、行き帰りを一緒にするだけだが、それだけでもいいストップになっている。
隣を歩いている香の表情を見ても、だんだん元気を取り戻しているように見える
・・・が、たまに表情が曇るときがある。
それは決まって、堂上二正の前。
堂上二正も、以前のように香に対して話さなくなった。