第9章 声
篤「なぁ、聞いてもいいか?」
『はい?』
篤「佐々木はいつもあんな感じで出るのか?」
出るのか?そう聞かれて昨日の電話が頭をよぎる。
『え?!い、いや、いつもはちゃいますよ!』
篤「じゃあ俺だとわかっててか?」
『いやいやいや、わかってたらあーやって出ませんって!』
篤「……それじゃあなんだ?」
教官は微かに首をかしげる。
『……〜〜っあのですね、恥ずかしい話なんですけどね、最近身につけた技っていうのがありましてね…』
もごもごしながら説明すると、教官は口を押さえて更に声を押し殺して笑い出す。
なんだかキュンとしちゃうわたし。
こんな姿見れてるのわたしだけなんや…!
そう思うと更に胸が締め付けられる。