第9章 声
『今日から閲覧室か。』
研修のシフトは書庫業務を終えて閲覧室業務に移った。
業務部の朝礼に先駆けて行われる班内の朝礼の時、郁は光と顔を合わせてぎこちなくなったけど、一方の光は顔色一つ変わらなかった。
わたしは2人の様子を窺いながら、内心楽しくて仕方なくて、ニヤニヤするのを抑えるので必死だった。
今日の業務は蔵書を配架すること。
郁は端末業務…ちなみに、光と一緒。
『なんていうタイミング…!』
篤「佐々木?何がタイミングなんだ?」
『え?!いや、何でもないです、はい』
篤「…?とりあえずお前は俺とだ」
『はい、お願いします』
わたしは昨日の電話を思い出す。
ちょっと照れくさいけど、仕事は仕事。
プライベートのことは、関係なし…!
そんなことを思いながら教官の後ろをついていく。