第1章 はじまり。
『教官、よろしくお願いします!』
教官とわたしは向き合う。
間合いをとって教官の様子をうかがいながら隙を作ってやろうと、わたしはさっきのことを思い出した。
実は食器を片したあと郁たちを追いかけようと食堂を出ようとした時、視界に顔を赤くした教官が入り込んだ。
小牧教官は笑ってるし…とにかく、なんで赤くしてるのか気になって気になって…
今がチャンス。
もしかしたら、動揺してくれるかもだし。
『教官、わたしがいなくなった後、小牧教官と何話してたんですか?』
そう言うと、教官は「なっ?!」と表情を崩す。
しめたもんだと思い、その瞬間わたしは仕掛けた…が、よし!と思ったと同時にぐるっと視界がまわって
バタン!!
と音をたててわたしは床に転がった……