第8章 初めての襲撃
激しい銃撃戦は意外と早く終息した。
図書隊の人数が上回ったからだと思われる。
良化特務機関は目標達成を放棄し撤退しているようだった。
抱きすくめられてるから、目でそれを確認できてない。
撤退しているのを何となく感じながら、わたしは動けずにいた。
「はぁ・・・心臓がもたん」
ドキドキと聞こえる鼓動。
それはわたしのものなのか、はたまた抱きしめている “彼” のものなのか。
「もうちょっと考えろ」
ホッと息をついてぐっと力を込められる。
いつもの香りが鼻をくすぐった瞬間、涙が出そうになるのを堪えて口を開く。
『教官・・ありがとうございました。ちょっと…どころか、完全にもうだめかと思いました』
その発言に教官は体を離し、ヘルメットをポンと叩く。
篤「ーーーーからな」
『え?』
ボソボソっと言われたから聞こえず。
聞き返したらぐっとヘルメットを押さえつけられた。
『わわっ!』