第8章 初めての襲撃
良化隊員は止むことなく銃撃してきた。
わたしを殺してでも図書を持ち帰るために。
上から光が牽制で援護してくれてるから良化隊は寄ってこれない。
光《香、残り弾4発だ》
光から無線でそう言われ、わたしはハンドガンを取り出し
耳をすませて、上から聞こえる銃声を数えた。
最後の銃声を聞き、ふぅっと息をついて集中する。
そして、良化隊員に銃を向けた。
1対多数。
休む間も無く弾がわたしを狙ってくる。
自分が応戦しようにも弾数が限られているため、むやみやたらに撃つことはできない…
『ーーーよしっ』
撃たれてもいいから、応戦するという方法しかない。
神経を研ぎ澄ませて人差し指に力を込める。
良化隊員が撃った弾が腕を何回かかすめたが、わたしは確実に足を狙って撃っていった。
何発か撃った後カチッという音が鳴る。
『チッ…』
どうやら弾切れ。
それを待っていたかのように良化隊員がにじり寄ってきた。
『ーーーほんましつこいっ!』
図書を守るように背嚢を抱きしめ、目をぐっと閉じてうずくまると
「香!!!」
名前を呼ばれ抱き寄せられた。
…と同時に出入り口から防衛員が裏庭に飛び出し迎撃が始まる。