第8章 初めての襲撃
篤「…館長室に回った判断は上出来だ。結果として図書を守れたんだから柔軟な判断だった。」
『はい!』
篤「図書は閲覧室に戻しとけ。業務部が後処理を始めているはずだ。…あと、柴崎を呼んでこい。話が聞きたい」
堂上教官は何かに気づきわたしの腕をとった。
『あ・・』
とっさに腕を払おうと思ったが、それを教官は許さなかった。
篤「撃たれたのか」
『かすっただけです。血も止まってるし…わ!』
反対の腕を引き、教官はわたしを連れていく。
篤「そういうことは早く言え!」
『だ・・・だって』
篤「なんだ」
『教官がきてくれたから安心しちゃって・・・』
もごもごと言うと、堂上教官はバカ野郎とつぶやいた。
顔を上げると、教官の耳が赤く染まっているのに気付き、思わず笑ってしまった。