第8章 初めての襲撃
―――これだと間に合わない。
『わたしがいく』
身につけている邪魔になるものを外しながらそういうと
「ダメだ!!」
光が怒鳴った。
光「的にされる、行くなら俺が!」
『大丈夫。光、あんたはわたしが殺られへんように援護して』
ハンドガンの弾を確認し、レッグホレスターに差す。
チラッと光を見ると眉間にしわを寄せながら「わかった」と言った。
光は良化隊員の銃を取り上げ、わたしはザイルを確認する。
そして郁に視線をやった。
郁「カウント!!」
光「一、二の、三!」
そのカウントで柵を乗り越え、良化隊の最初の銃声が聞こえる前に窓が1つ上に流れた。
ほとんどノーブレーキで窓を2つ3つと数え、最後の1つになる前に勢いを殺し植え込みへ足を入れる。
着地と同時に転がるように体制を整え、目の前にある背嚢を掴み茂みに身を寄せた。