第7章 グレー
郁「グレーっていうよりも真っ黒じゃないですか、第31条違反でしょ!?」
篤「落ち着け」
堂上教官が割って入る。
篤「証拠があるわけじゃない。」
『そう・・それに、そもそも30条と31条に関して保障されているのは図書館の権利だもん』
わたしが言うと堂上教官も後に続く。
篤「部外者がこの権利を侵害した場合はこの条文を根拠に抵抗権を行使できるが、図書館が権利を行使しないことについての罰則規定はない」
小「それに、館長代理がやったとしても手口が巧妙だし、故意とは断定しがたいね」
小牧教官も口を添えた。
『館長代理は着任して日が浅いので、配架を間違えたといえば通ってしまう話ですもんね』