第7章 グレー
そしてそれから一週間後。
「今日からあたしも当館リクエストやらせてください!」
そう言っている郁の姿を見た。
篤「…当館リクエスト入ってみろ。ついていけなかったらまたシフトを戻す」
郁「はい!!」
郁の気合の入った返事が聞こえた。
フと思い出すのは前に見た教官のあの目。
『ーっ…』
パチンと、自分の頬を叩く。
わたしも負けられないと、密かに気合を入れた。
『まただ・・・』
また所在不明図書が出た。
あまりにも多いので、今日は残ることに。
麻子にも来てもらえるように電話して、来るまでに所在不明図書をリストアップする。
麻「香、ごめん遅くなった」
『んーん、来てくれてありがと。助かる』
麻「いいのよ。で、どれなの?」
『これ。とりあえずもう一回探してみようと思って』
麻「わかった、あたしも探すわ」
麻子に手伝ってもらってリストを見ながら本を探す。