第6章 ビール
ロビーのソファーに腰掛けビールの缶をコツンと合わせる。
ちょっと濡れた髪をタオルでガシガシしながら教官はビールを飲んでた。
『お風呂上りですか?』
篤「おう」
何となく色気を感じてドキドキしちゃう。
誤魔化すようにゴクゴクとビールを飲み、一息つく。
そういえばさっき教官のにおいといっしょに石鹸のにおいがしたなぁ…
そんなこと思ってると
篤「ん?俺の匂い?」
『あれ?口に出てました?』
教官は「うん」と首を縦に振る。
顔が赤くなったのを隠すようにわたしは缶を口につけて…
言っちゃったもんはどうしようもない。
酔ってるということで言っちゃえ!
そう思いながらゴクゴクっとビールを飲んだ。
『わたしね…教官のにおいすきなんですよね』
篤「・・・お前酔ってんのか?」
『…酔ってないですよ』
教官は疑いの目でじっと見てきて…
やばい、酔ってないのバレてる?!
そんなことを思いながらヘラっと笑ってみせる。