第6章 ビール
時計を見ると9時45分。
まだ寝るには早い。
『のど・・乾いたな』
部屋に冷たい飲み物がないことを思い出し、わたしは自販機に向かった。
『む』
自販機の前に立ち、どれにするか頭をひねる。
水にするか、それとも・・・
究極な選択に頭を悩ませていると、ふわっと知ってる匂いがした。
そして後ろから手が伸びてきて、ピッとボタンを押す。
ガタンと出てきたのはビール。
『……。』
くるっと振り向くと、首にタオルをかけた堂上教官がいた。
篤「どんなけ唸ってんだ、佐々木」
そう言って自販機の取り出し口からビールを取って、プルタブをあけてわたしにくれた。
篤「ん」
『ありがとございます・・』
そして、教官は自分の分も買って同じようにプルタブを開ける。
篤「とりあえず座るか」