第2章 そういうところが好きじゃないんだ
「あっ、や、あっ…」
ジュウジュウと、私の胸を吸い尽くすような勢いだ。
「や、だ…あ、伊豆、く、あ、ハァ、あ」
熱く濡れる感触に、私の声が上ずる。
伊豆くんは息の続くかぎり吸い付くと、水泳の息継ぎみたいに一瞬だけ口を開け、また吸い付く、そんなことを繰り返す。もう片方の胸を、ぐにぐにと揉み続けながら。
「んっ…う…あっ、ハァ…やっ…」
私もどんどん息が荒くなってしまう。嫌だ、好きでもない人に無理やりされて感じてしまうなんて。
「桃浜…気持ちいいか?」
「っやだ…やだ!いや!」
私は必死に否定した。気持ちよくなんてない、そんな風に思われたくない。
「スマン…もう少し優しくする…」
そう言って彼は口を離すと、舌を大きく出し、ねぶるように柔らかく私の乳首をいじった。
優しくとかそういう問題じゃない、バカバカ、彼のそういうところが嫌いだ、天然ボケという言葉で済ませてよいレベルだろうかこれは。
胸を揉み上げていた手も穏やかな動きに変わる。乳首をつまんだり、ツンと押したり、軽く引っ掻いたり、じゃれるような動きだ。
「ふぅ…んっ…やぁ…ん…」
声を抑えたいのに抑えきれない。手が痺れるくらいにスカートを握りしめた。彼が私の胸に夢中になってからは、私の両手は自由になっている。でも彼をどかそうとしたり叩いたりしても無駄だということがわかったので、スカートを握って堪えるしかない。