第2章 そういうところが好きじゃないんだ
「んっ…うっ」
ビクン、と体が跳ねた。伊豆くんが私の太ももに手を伸ばしてきたのだ。スリスリと撫でてくる。もちろんこの後、この手の行き着く先は…
「やだ…やだ、やだやだやだ…」
蚊の鳴くような声で私は懇願した。
「桃浜…お願いだ。いいって言ってくれ…」
伊豆くんは顔を上げると、切なげな目で私を見つめる。
「やだぁ…ホントに…や…いや…うっ…うぇ…うっうう…」
私はついに声を上げて泣いてしまった。でもきっと伊豆くんはやめてくれないのだろう。ああ、私はここで犯されてしまうのだ。そう思って泣いていたら、突然、体がフッと軽くなった。ずっと重くのしかかっていた伊豆くんが、身を起こしたのだ。
「桃浜が、本当に嫌なら、やめる。スマン…」
そう言うと伊豆くんはドスンと床に座り込んだ。
私はすぐさま上体を起こしたが、体が震えてしまって立ち上がることはできない。セーラーとブラを下げて胸を隠しながら、バタバタと後ずさって彼から離れた。