第2章 そういうところが好きじゃないんだ
「…ハァ。桃浜、の…」
伊豆くんがゴクリとツバを飲む音が聞こえた気がした。自業自得なのだけれど、自慰のために、私はキャミソールをあらかじめ脱いでしまっていた。だから今は、ブラに包まれた胸が彼の前にあらわになっている。私は恥ずかしさで目に涙を溜め、彼から目を逸らした。
「触って、いいか…?」
伊豆くんが聞いた。ダメに決まっている。けれどもう、怖さや恥ずかしさやつらさで声も出ない。そんな私をよそに、伊豆くんはブラの上から私の胸を揉み、肉の上に口づけをした。
「んっ、う…ん、んん…」
伊豆くんがキツく揉むものだから、私の口から声が漏れた。
「い…たいっ…」
「あ…、す、スマン」
私が涙声で言うと、伊豆くんはパッと手を離した。
「ぶ、ブラジャーって、結構固いんだな。思ってた感触と違ったから、つい」
スマンと謝る彼の顔は、先ほどとは違い、本当に申し訳なさそうだった。私の涙を見て彼もいくらか冷静さを取り戻したのかもしれない。もしかしたら、このまま止めてくれるかも…私がそう期待した時
「ブラ、外していいか?」
と少しだけほほ笑みながら彼が言った。