第2章 そういうところが好きじゃないんだ
私は目を丸くして伊豆くんを見た。伊豆くんは恥ずかしそうに頭を掻いている。彼がこんなに顔を赤くしているのを初めて見た。
「はは…オレの方が恥ずかしいだろ。桃浜は部室の中だが、オレは野外で、チンコ出して…。お前のことを覗きながら、ひとりでこっそりヤッてたんだ。あ、だが、オレが桃浜を見てたみたいに、オレも誰かに見られてたかもな、ははは」
多分、私の気持ちを落ち着かせるためだろうが、伊豆くんはことさらおかしそうに笑った。
「…家に帰ってからも、桃浜のことが忘れられなくて、何度も抜いた。本当に、堪らなくてな。その日から、自主練の合間に何度も女子の部室のことを見に行った。何度か、同じように桃浜の…その、しているとこが見れて、その度にオレも抜いて。それだけで満足しようとしたんだ。覗くだけにしておこうとな。だが、今日…どうしても我慢、できなくなってしまって…」
そこまで言って一度黙ると、伊豆くんは熱っぽい顔で私を見てきた。
「桃浜…好きだ。抱きしめたい。触りたい。桃浜のエロいところをもっと見たい。そして多分…オレの方が気持ちよくさせてやれる」
ロッカーに背をあずけ、膝を抱えて座り込む私に向かって、伊豆くんは床に手をつきながら、ゆっくりと近づいてきた。
「桃浜…」