第1章 前編 時の彼女と死の外科医
(って遊んでる場合じゃない!このままだとローの苦しみもがくシーンが始まってしまう!)
ユーリはこの先どう行動すればいいのか考えた。
肝心なことをあの妖精は何も話してくれなかったので、自分で考えるしかない。
といっても本来居ないはずのユーリがどこまで介入していいものなのか分からなかった。
ユーリが介入することで多少なりとも未来が変わってしまうが、未来が変わるとどうなるだろうか。
まさか原作の内容まで変わるのか。
ありえない話だが、もしそうなったら全国のローのファンにぶっ殺されてしまう。
それとも時を止めつつ幽霊のように気づかれず、見守るだけにするか。
それはそれで面白そうだが。
(いや、多分大丈夫だと思いたい。少なくともローの苦しむ姿は見たくない。最初に見たとき、なぜ心臓を握りつぶされそうなのに挑発するのかとヒヤヒヤしてた。思わずローはMなのかと疑ったぐらいだ。そんなところも惹かれたけど)
ユーリは幽霊となるか、とりあえず先のことは考えず、ローが苦しまないよう、かつ復讐の邪魔にならないように介入するか迷っていた。