第4章 番外編
医者や国王にはあまり興味がなかったので、残ったのは海賊だった。
だからリンが医者を目指す一方で、レンは海賊に少し憧れていた。
別に悪いことをしようとは思ってないのだが、純粋に強くなりたかったのだ。
それなら海軍でも良さそうだが、彼も父の影響を受けているのか自由を好んでいるので、やはり海賊のほうがしっくりきた。
「レンは海賊を目指すんだよね?もし出航する時は私も仲間に入れてよ!まだ行ったことのない島がたくさんあるからさ」
「……それだと絶対父さんも来るだろ。ついでにリンも。そうなるとただの家族旅行じゃねぇか」
ユーリの言葉にレンは勘弁してくれと思っていた。
因みにユーリにだけ、海賊になりたいと話していた。
最初は反対されるかと思ったが、すんなり応援してくれたので少し拍子抜けた。
まぁ母さん曰く悪い海賊ばかりじゃないらしいので、それもあるかもしれないが。
というか母なら何でも受け入れてくれそうだ。
大きくなって1人立ちする時も、一緒に行きたいといっておきながらきっとレンの意見を優先してくれるだろう。
レベルがカンストしている父も尊敬しているが、どちらかといえば母の方を尊敬していた。
あの父を上手く手懐けているところも尊敬しているが、その心の広さが素直に凄いと思っていた。
「一緒に航海していた皆はどうしてるかなぁ~」
そしてレンは楽しそうに昔の話をする母を見て、自分一人で母を守れるくらい強くなったら、その時は母の望む場所に連れて行ってあげようと思っていたのだった。